なぜ整体で効果が出るのか
整体の歴史で述べたように、整体で主に使う刺激は、摩擦・押圧・さする・引き伸ばすなどの刺激が多いです。
人には”感覚”というものが備わっており、「体性感覚」と「特殊感覚」に大別されます。
整体で効果を出すためには、感覚について知っておく必要があります。
体性感覚
ここでさらに体性感覚は表在感覚と深部感覚があります。
・表在感覚
表在感覚には、皮膚などの表層で感じる感覚を表しています。
触覚(触られた感覚)、圧覚(押された感覚)、痛覚(痛みを感じる感覚)、温冷覚(あたたかさ、つめたさ)などがあります。
ここから重要なお話しをさせていただきます。
これらの感覚は皮膚から脳に刺激を伝達させることで初めて感じ取ることができます。
実は、それぞれの感覚には重大な”異なる点”があります。
それは、、、
「脳に伝達されるまでの時間」です
脳に伝達される時間で最も早いのは「触・圧覚」
遅く伝達されるのは「痛覚」
それでは、ここで問題です。
痛みを感じている部分を触ったり圧迫すると、どのようなことが起きるでしょうか?
答えは、痛みよりも触覚や圧覚を感じるようになります。
理由は先ほどお伝えしたように、触・圧覚は最も早く脳に伝達されます。
痛みを感じる前に、触・圧覚の情報が脳内に入ることで痛みが抑えられます。
これを「ゲートコントロール理論」と言い、痛い所を無意識でさすったり触ったりするのは無意識に痛みが和らぐことを体が知っているからです。
そして、整体ではこのような感覚に対しても介入するため、痛みを改善させることが学術的にも可能なのです。
・深部感覚
より深層で感じる感覚を表しています。
深部感覚には「関節位置覚」があります。
関節位置覚とは、関節がどのくらい曲がっているのか?
関節がどのくらい伸びているのか?
をおおまかに感じ取る感覚です。
表在感覚と分けられ、感覚障害を起こしている方には表在感覚・深部感覚の検査をすることもあります。
特殊感覚
・視覚
目から入った光を網膜と呼ばれる細胞で「情報」として処理し、脳で知覚する仕組みのことです。
暗がりや明かりを感じる”光覚”と色を感じる”色覚”に大別することもあります。
・聴覚
空気の振動から耳の奥にある、有毛細胞で「情報」として処理し、脳で知覚する仕組みのこと。
有毛細胞から振動を感じ取ると言われています。
年齢によって聞き取りづらくなるのは、有毛細胞で感じ取る音域にトラブルが発生してくることが要因とされています。
・味覚
食べ物から甘味や苦味、酸味などを感じ取り味覚細胞で「情報」として処理し、脳で知覚する仕組みのことです。
味覚は舌の上にある味蕾と呼ばれる器官や喉にある咽頭・喉頭蓋でも感じ取ると言われています。
・嗅覚
鼻の奥にある嗅細胞で、空気中にある物質を神経活動の「情報」として処理し、脳で知覚する仕組みのことです。
・平衡感覚
内耳の前庭や半器官で、頭のかたむきや動く速度を「情報」として処理し、脳で知覚する仕組みのことです。
前庭感覚とも呼ばれ、高齢になればバランス感覚が落ちるというのは、この情報処理をする機会が減っていることが原因にあります。
近年では、幾つになっても「筋力」や「バランス能力」、「脳神経」は鍛えられることが知られており、使えば使うほど改善することはすでに証明されています。
今日が1番若い日です!
自分の体に自信を持って、日々鍛えていくことが「健康な体」を取り戻す最短の方法です。